ZENN ZD45 の場合
今は無くなってしまった、サウンドハウスブランドのギブソン J45コピー品
Zennの中華アコギです
5年ほど前に新品で購入して使っていましたが
前回のトムソンのリペアでアコースティックギターの難しさを知ったため
続けてアコギリペアの勉強です。
買った時はわかりませんでしたが
改めて見ると フレットが斜めに打ち込まれています
試しに叩いて直そうと試みましたが.....
浮きは直らず
抜いてみると そもそも中華製のフレットの足が斜めになっており
タングの位置もセンターからずれていました
すり合わせではなく
フレット打ち直しで修理していきます。
フレットを抜いていくと
指板がささくれていきます。
どうも、ローズっぽく見せるための化粧板が薄く貼ってあるようで
溝はグズグズになってしまいました
ローズの粉も合わせて アロンアルファで補正し
削って整えていきます。
削ると化粧が剥がれ 黄色い粉がザクザク出てきました
なんの木でできてるんでしょう?
続いてフレットを打ち込みます
両端をニッパーで切り
さらにエッジをヤスリで整えていきます。
フレットの角を丸めて
指板の角も削ったら打ち込みは完成です。
続いてすり合わせをします
ネックを可能な限り真っ直ぐにして
ペンで色を塗り
当て木で削っていきます
今回は指板修正(指板をストレートに削らず、フレットの打ち直しのみする)ため
ネック歪みが直っておらず 部分部分ヤスリが当たらないところがあります。
削りを進めていき 全体にヤスリが当たれば終了です
ネックのねじれや歪みをすり合わせだけで修正しようとすると
フレットを削る量が多くなり 今回のような台形なフレットになっていきます。
無論、フレットの丸みを復活させるために
フレット用の工具で削ります
ナットの作成にとりかかります
最後にブリッジですが、今回はオクターブチューニングを合わせたブリッジを作っていくことになりました
仮のブリッジをさしてチューニングしていきます。
この時に弦を緩めて、カポで弦を押さえながら交換すると
ブリッジの抜き差しが簡単にできます
刺してチューニング、削る、を繰り返して
チューニングの高いところ、低いところをノートにメモしながら削ります
最後にセットアップして 微調整をしていきます。
完成です。
いろいろ直してみると 中華クオリティな部分がたくさん見つかり
発見のある楽しい修理でした!