リペア記録

ジャンクギターをリペアしていきます。

トムソンの場合

f:id:shockersguitar:20211122131743j:image

はじめてのアコギリペアになります

木曽鈴木バイオリンのDove風安物ギター

トムソンです!
f:id:shockersguitar:20211122131733j:image

明らかに悪意のあるロゴ
f:id:shockersguitar:20211122131736j:image

ブリッジは割れています
f:id:shockersguitar:20211122131740j:image

 

f:id:shockersguitar:20211122132046j:image

フレットはちゃちゃーっと抜きまして

よく見るとバインディングに隙間があります
f:id:shockersguitar:20211122132050j:image

古いギターは時間が経つと バインディングの隙間を埋めてるパテが痩せてしまい

隙間ができるとのこと
f:id:shockersguitar:20211122132043j:image

ローズウッドの削りカスとアロンアルファで

すり込んでいきます
f:id:shockersguitar:20211122132040j:image

少しペーパーで削ると

f:id:shockersguitar:20211122132422j:image

綺麗に埋まりました!

 

今回は初めてのアコギリペアで 探り探りやっていたので写真が少ないですが

f:id:shockersguitar:20211122132758j:image

フレットを打っています

ここからこのギターのトラブルが連発しますorz

 

トラブル1

指板が剥がれているので

f:id:shockersguitar:20211122132939j:image

薄めたタイトボンドを流し込んで クランプで接着します
f:id:shockersguitar:20211122132936j:image

 

トラブル2

フレットの溝が大きく

フレットが浮いたりグラグラしたりするので

今回はフレットをアロンアルファで接着する方法を使いました

f:id:shockersguitar:20211122133220j:image

マスキングをした後にアロンアルファを流し込み

クランプで固定します
f:id:shockersguitar:20211122133217j:image

固まったらマスキングテープをナイフで剥がしていきます
f:id:shockersguitar:20211122133223j:image

 

アロンアルファでフレットを?と思いましたが

実は手抜きなどではなく

かなり使われているテクニックのようです。

 

ヴィンテージ のギターなど 簡単には指板を変えれず

フレットを何度も打ち変えていて溝が大きくなっている物や

フレットが浮いてるとサスティーンが無くなりますが

アロンアルファで固めると

指板に強力に刺さるためサスティーンが伸びる特徴があります

 

そのためプロのミュージシャンの方でも

あえて新品のギターをオーダーする時に

フレットは「アロンアルファで固めてください」という注文があるそうです。

 

ここからはすり合わせをしていきます

f:id:shockersguitar:20211122134245j:image
f:id:shockersguitar:20211122134248j:image

 

次にブリッジです Dove特有のチューンオーマチックブリッジが しっかり反っているので

コマの交換と同時に分解して

f:id:shockersguitar:20211122134141j:image

両脇が分厚くなるようにマスキングして
f:id:shockersguitar:20211122134131j:image

クランプではさむと
f:id:shockersguitar:20211122134135j:image
f:id:shockersguitar:20211122134138j:image

あら不思議 直りました

が、、、簡単に直りすぎなので

おそらく柔らかい金属を使っているため また反ってしまうそうです

ブリッジの下に板をはさむなどの対処法もありますが

 

とりあえずはナットの作成のため

弦高をハッキリさせるために 仮組みで取り付けます。

 

ブリッジの割れは写真が少ないですが

f:id:shockersguitar:20211122135655j:image

タイトボンドを流し込み、両脇からクランプで挟みます。

 

ナットの作成です いつも通り牛骨で作っていきます。

f:id:shockersguitar:20211122134812j:image

ペグ3対3のギブソン 系のギターのチューニングが合わない原因はナットにあることが多いらしいです。

 

フェンダー系のギターと比べて ナット幅が大きいので 弦と擦れる部分が広いとダメらしいです

f:id:shockersguitar:20211122134821j:image

角を落として 弦との接点を少なくしていきます。
f:id:shockersguitar:20211122134818j:image

理想は弦との接点がフェンダー のナットと同じくらいだそうです

↓お手本です
f:id:shockersguitar:20211122134815j:image

3対3ペグは 弦の通り道がハの字になっているので

溝もそのように切ります

これもチューニングの安定に一役買うそうです。
f:id:shockersguitar:20211122134809j:image

 

最後にピン穴の幅を整えて

f:id:shockersguitar:20211122135520j:image

パーツなどを磨き
f:id:shockersguitar:20211122135513j:image
f:id:shockersguitar:20211122135526j:image
f:id:shockersguitar:20211122135516j:image
f:id:shockersguitar:20211122135523j:image

完成です!