リペア記録

ジャンクギターをリペアしていきます。

グレコ JB500の場合

早速ジャンクベースを仕入れてきました!

でん!

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グレコジャズベースです。

 

近くで見るとこの通り

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ピックガードは無いですが

リアとフロントピックアップにフェンスのネジ穴が空いています


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ブリッジはサビサビ
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ネジもサビサビ
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ロゴとプレートのシリアルから

1970年代後半のフジゲン製 グレコJB500Bだとわかりました

 

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1977年のカタログにのっていました!

ネックも日焼けする前は白かったんですね....

 

さらに状態を確認していきます。

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フレット はほぼ台形

さすが40年前だけあって、かなりすり減っています

安いギターなどは 生産過程でネックの反りをフレットの擦り合わせである程度誤魔化しているため

新品でも台形っぽくなってることがあるそうです。

 

早速パーツを全て外していきます

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ブッシュはレンチのソケットを使って

ゴムハンマーで抜いていきます


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流石40年物、ピックアップの高さを調整するスポンジもスッカスカになっていました

ピックアップカバーもおかしなことになっているので

カバーとスポンジは新しくします!

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高さ調整のスポンジは専用品もありますが

楽器によってはザクリの深さや

ネックの仕込み角の影響で 良くない場合もあるそうなので

ホームセンターのスポンジをカットして使っています。

 

 


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電装系は国産ポッドが入っていますが

ガリが酷いので交換しました

ボリュームがBカーブ トーンはAカーブなんですね

オリジナルに忠実にいきたいので

今手に入る国産ポッドを使います。

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裸になったボディーは可哀想なので

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ポリシャーで磨きました

 

ここまでできたら ネックをもって工房にGO

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今回はネックのねじれがあるので

ナット、フレットを抜き 反った指板面をストレートにして

塗装してフレットを打ちなおします!

 

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抜いた物がこちら

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指板に定規を当ててみると12Fで1mm以上隙間があるのがわかります。

この時のトラスロッドはゼロ(まったくきかせてない)の状態です
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フレットを抜いたら、指板を削ってストレートにしていくのですが

このまま削ると フレットの抜いた跡がささくれて

致命的な凹みになるそうなので2種類のアロンを盛ってきます

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どこを削ってストレートにするか印をつけて削ります

今回は4弦側が大きく反っていたので

ローフレット4弦側とハイフレット全体を削ってストレートをだしていきたいと思います。

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あまりにも反りが酷い場合は トラスロッドを少し回してから削るらしいですが

今回はこれで大丈夫なそうです。

 

削ったものがこちら

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定規をあてて 隙間がないか確認します。
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そして指板を削るとフレットの溝が浅くなってしまうため

定規で測り

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浅いところはノコギリで掘っていきます。
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メイプル指板の場合、フレットを打った後

塗装を行うのですが

フレット に塗装が乗って欲しくないので、今回は先に塗装をします。

 

ウレタンの下地を2種類吹き

トップコートに、うっすらとイエローを乗せて 色味を馴染ませていきます。

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フレットエッジのバリを取った後ネックに打ち込んでいきます。

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すり合わせ後 良く見ると

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フレットとバインディングの間に隙間があります

これは指板面よりバインディングの方に強いRがついてるとおこるのですが

大体の場合 フレットを打ち込んだ後に塗装をするので誤魔化せますが

 

今回はフレットに塗装が乗って欲しくないので

バリがあるところにアロンを盛り、サンディングします。
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するとフレット とバインディングが一体化して

手触りがよく なおかつフレットが浮にくくなります。

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ジャンボフレットになったことにより

ナットを高くしなくてはならないため

ナットも牛骨で作っていきます

 

また指板を削ったことにより ナット溝も浅くなっているので ノミで掘り直します

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最後にバフでパーツを磨き 組み込んでいきます。

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ブリッジはネジが錆びて回らなくなっていたため 芋ネジは新品に交換

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余っていたピックガードをつけました
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完成!!!!

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